技術 Technology

浪速金液は1927年の創業より、90年以上もの間、より多くのお客様に必要とされる製品づくりを追求してきました。

その過程で培ってきた高度な技術開発力によって、高品質な製品を安定して供給することができ、さらには如何なるお客様のご要望にも迅速に対応することで、国内のみならず海外のお客様からも高い評価を得ています。

金液づくりはまず扱う素材を知ることから始まります。

磁器や陶器、ボーンチャイナやガラスといった様々な素材は、それぞれに焼成温度が異なり、特徴も異なるため、どの素材に使用するのかを知ることは非常に重要です。焼成温度を上げすぎたためうまく色が反映されない、クラック(ヒビ割れ)が入ってしまったなど、素材の特徴を理解しないと発生してしまう問題も起こり得ます。

しかしながら、浪速金液は長年の経験値と技術力を活かし、扱う素材ごとに配合を調整し、その素材に最適な金液をつくることを可能にしてきました。

昨今では、時代のニーズに合わせて金属レジネートの開発にも力を入れており、陶磁器の分野だけでなく、新たな分野の開拓を目指しております。

特許 Patent

1957年

スクリーン印刷金転写

特240589

金粉末の損失が多く、光沢も悪かった従来の金転写の方法を刷新し、スクリーン印刷に適した窯業用含水貴金属液転写紙を開発。浪速金液では初となる特許を取得。

1987年

電子レンジ用金液

特1613437

その性質上の理由から、電子レンジで金装飾を施した食器を使用することは出来なかったが、研究開発を続けた結果、世界で初めて電子レンジでも使用可能な金液の開発に成功。今では一般的に流通している電子レンジ用食器だが、まさにその礎を築いたといっても過言ではない。

1996年

抗菌性を有するラスター

特2651129

内装材の抗菌性が問題視される中、抗菌性を有する表面処理材や素材は出回ってはいたが、塗材や布が主であり、残留有機溶剤や接着剤を使用しなければならない問題があった。そこで浪速金液では、ラスターの金属成分に着目し、焼成することで抗菌性の被膜を形成することを可能にしたラスターを開発。

2002年

上絵付け用のアルコール系水金

特3321063

従来の水金はトルエンなどの臭いの強い有機溶剤を使用するため、作業環境の悪化が著しく、さらには水金の製造には欠かせないテレピン油やロジンは森林資源なので、安定した品質を保つことが困難であった。そこで浪速金液では、アルコール可溶性樹脂およびアルコール系溶剤を使用した水金を開発。この開発によってトルエンが不要で、かつ金色の発色が改善され、作業環境は良好となり、コスト削減を実現。

2019年

絵付け用材料及び焼成物製造方法 ※共同発表

特6521630

金液は色味や光沢も重要だが、日常的に使用する食器を装飾するために使用されるので、食器用洗剤や食洗器への耐久性も重要となる。通常の製造方法では、製品の構成が複雑で、摩耗しやすい傾向にあったが、製品の構成や製造工程の見直しを行うことで、新たな製造方法を開発し、従来の金液と比べて耐久性が飛躍的に向上した。